アルヴェスク年代記 [新月 乙夜]
縦書き: 1269P | 作品リンク | 作者ページ
ユーラクロネ、という大陸がある。その大陸の中央から西よりに、〈アルヴェスク皇国〉と言う国が存在する。その版図は実に344州。大陸随一の大国である。
その大国で、賢君と謳われた皇王レイスフォールが崩御した。そして彼の死をきっかけに、皇国は内乱に陥る。そしてその内乱の中で頭角を現した三人の若者は、やがて皇国の未来に大きく関わっていくことになる。
★★★★★
架空戦記 野心 交誼 起承転結
完結済:全86部
▼感想
とてもおもしろかった!
以前読んだ乱世を往く!の作者の作品です。
異世界だけど、魔法なし、チートなし、ファンタジー要素なしの戦記モノと言う「なろうサイト」としては異質で、しかも主人公が3人もいます。
相変わらず文章はうまいしプロットも極上!今回はサイドストーリーなしの大きく分けて3話構成で若干短めにまとめられぐいぐい引き込まれる話で一気に読んでしまいました。
これぞまさに小説という感じの練られたストーリー、大きな流れの中にある歴史を切り取った感じの語り口調、なにより冒頭での3人の関係性がとてもよく書かれていていきなりわくわく。
この巧みに描かれる情景や布石は『ちょっとあんたたちこれ読んで勉強しなさいよ!』と他のなろう作者さんたちに声を大にして言いたいほどよいものでした。
サイドストーリーがないせいか、話が飛んで帰ってきたときにそれまでの出来事をかいつまんだ復習文がちょっと多めなのが気になったくらいで文句なしの秀作でした。