退職記念のメガヨットは異世界の海を今日もたゆたう [ジルコ]
縦書き: 1246P | 作品リンク | 作者ページ
「ボンボヤージュ」
ガンに侵され、余命いくばくもないことを知った海原 航は長年勤めた会社を退職し、その足で港へと向かう。親友のそんな言葉を背中に受けながら。
退職記念の数十億のメガヨットに乗り、穏やかに海上で余生を過ごす航だったがいよいよ意識を失うというところで昔の知り合いの声を聞く。
そして意識を取り戻したときにはそこは異世界の海の上であった。航はこの見知らぬ世界の大海原をメガヨットと共に旅していく。それは後に語り継がれる伝説の始まりとなるのだった。
★★★★☆
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
R15 残酷な描写あり 異世界転移 日常 冒険 ほのぼの 海 メガヨット ネット小説大賞七感想 ローレライ 海戦 料理回あり 無駄知識をあなたに 釣り 商人 船tueee 成長 解放
完結済:全161部
▼感想
おもしろかった!
独自の設定として面白いのは、行方不明の船は異世界へ飛ばされギフトシップと呼ばれ燃料などを魔石で補充できると言うもの。
そこへ60歳で死ぬはずだった社畜で未婚独身の男が30歳位になり、超豪華メガヨットと転移して武力ではなく知略で困っている人を助ける。
最初お涙ちょうだい話しで引き込まれ、中身老人という事で丁寧な言葉使いが続き読みやすいのでサクサク進む。これ話しは面白いしワクワクして読んでいたのだが、なぜか成果を見せないというか強調しない、そしては中盤くらいまでは船は動かないしで微妙に期待をはずされる。
読み飛ばしたのではなかろうか?と思ったのだが、どうもそうではないらしい。そこに向かって話しを練っているのに肝心な成果報告が抜けていると言う残念なストーリーになっている、それだけはきっちりはっきりさせるべき。
最後も戦争中にバッサリ切れ布石回収もないまま、数年後子孫が昔話をしながらメガヨットを発見し、主人公を起動して終わりというなんとも有耶無耶な結末。
読後感がなんだかしっくりこない感じで★4にしたのだが、船モノが好きな私には十分楽しめた気がする。
あとがきの「役に立つかわからない海の知識コーナー」はちょっとした知識のヒントがありなかなか楽しい。